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134話 考察会議は踊る!~無限湖沼ルルラシア編~

 さっきまで会議に参加していた【ブーメラン冒険者】とボマードちゃんは二人で用事があるそうなので、途中退場した。


 そんな二人と入れ替わりでやって来たのは今回のレイドバトルの舞台だった無限湖沼ルルラシアのトッププレイヤー【釣竿剣士】だ。


 【釣竿剣士】が遅れてくるとは珍しいな。

 いっつも呼んでないのに後ろからヌッと現れたりしてるから意外と言えば意外だな。


 そんなことを口にすると、【釣竿剣士】が口を尖らせて反論してきた。


 「あなたは私をなんだと思っているんですか?

 ……遅れてきたのはレイドボス討伐後の【無限湖沼ルルラシア】の様子を確認してきたからです。

 【新緑都市アネイブル】でのレイドボス討伐後、エリア内で色々と新しい要素が解禁されていた記憶があるので今回もその法則に従って変わるのか一通り見てきました」


 あっ、なるほどね。

 あの広い沼地エリアを一通り見てきたのなら遅れてくることも納得だ。

 というより、レイドボス討伐してからあんな広いエリア一帯を見て回る気力があるのは素直に凄いと思うぞ。


 俺がそう称えると、【釣竿剣士】は身体を反らして両手を腰にあてるようなポーズをしていつものセリフを言うために口を開いた。

 ……立派な双丘が強調されているのが憎らしい、揉み回してやりたいぞ!


 「当然ですよ、生産プレイヤーなら!」


 それで、どうだった?


 「ボクもエリアの変化についての新情報には目がないですね。

 ボクにも教えてくれるだろうね?」


 【検証班長】……新情報という言葉に弱い男だな、おい!

 気持ちはわかるが……


 「いつも私が釣りをしていた場所があるじゃないですか、あの場所にNPCが常駐する建物が出来ていました」


 ほうほう!

 このゲームでは貴重なNPCが出てきたか!


 「それで、そこでは何が出来るんですか?

 まさか何もないただのNPCということはないだろう?」


 「そこではプレイヤーズクランの設立ができるようでした。

 今まで烏合の衆のようなプレイヤー集団でしたが、1つの目的にあわせて集まることができるクランを新機能として使えるようになったみたいです!

 かくいう私も、釣りメインのクランとかさっそく作ろうか考えています!」


 おっ、オンラインゲームでは定番のクラン機能が追加されたのか!

 テンション上がってきたな!

 【検証班長】は検証班でクランを作るだろうし、俺も何か作った方がいいのか?


 「無所属よりはいいんじゃないですか?

 クランに入ると何やら便利な機能が解放されるというようなことをそのNPCが言っていましたし、入らない理由はないでしょう」


 それならやっぱり作るかあ~!

 どんな方針でメンバーを集めるのか決まったらさっそく、そのNPCのいる建物とやらに行ってみるとしよう。


 【釣竿剣士】からの新情報はこれくらいか?

 それとも他にまだあったりする?


 「当然ですよ、生産プレイヤーなら!

 まだまだ共有したい情報はありますよ」


 「これはボクも楽しみだね」


 「ワールドアナウンスにあった【聖獣結界 υ(ウプシロン)】というものをこの目で確認してきました。

 中々見ごたえがありましたね」


 【聖獣結界】!

 俺も気になっていたワードだ。

 【異次元の風が吹き荒れている】状態になったレイドバトルのフィールドで、【異次元の起点から【聖獣結界 υ(ウプシロン)】を起動しました】というアナウンスで強化された【ウプシロン=ウーグウイ】の姿は鮮烈に脳裏に刻まれている。


 「【聖獣結界 υ(ウプシロン)】はワールドアナウンスにあったように、【ウプシロン=ウーグウイ】が移動した経路に線路を引くかのように並んでいました。

 黒色の板木のようなものが、沼地に浮かべるように並んでいました」


 「板木ですか……それを伝えば移動など楽になるだろうね。

 ……しかし、それが結界ですか、なんともパッとしない結界ですね」


 線路を見て結界と認識できるのはワールドアナウンスを聞いていたからだろう。

 前情報がなかったらそんな判断をできるやつなんていないだろう。


 「見た目はただの黒色の板木のようなものですが、その結界の中だとプレイヤーに色々と恩恵があるようです」


 恩恵か、いいねその響き!

 ただ、スキルとかabilityとかデメリットありきの恩恵しか聞いたことがないからどうせ今回もそんな感じだろうけど。


 「ところがそうでもないんですよ!

 【スキル【花上楼閣】のクールタイムがなくなりました】【スキル【花上楼閣】の射程制限がなくなりました】という【聖獣結界 υ(ウプシロン)】を起動した時のアナウンスがありましたよね?

 あの恩恵をある程度受けられるようです。

 ただ、完全にクールタイムがなくなったり、射程無制限という破格な恩恵ではないみたいですけど」


 「その辺りは今スキル【花上楼閣】について【ペグ忍者】を筆頭とした検証班メンバーと情報をすりあわせて、どこまで効果があるのか具体的な数値を割り出したいね。

 この会議が終わったあととか時間あったりますかな?」


 【検証班長】が【釣竿剣士】にそう問いかける。

 そんな問いかけ方だと【釣竿剣士】の返答は1つしかないだろう。






 「当然ですよ、生産プレイヤーなら!」


 やっぱりなぁ!




 




 【聖獣結界 υ(ウプシロン)】……私に有利なテクスチャを上書きできたのは、後々にいい形で響いてきそうです。

 底辺種族【釣竿剣士】は流石ですね。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 流石釣り竿剣士、ボス戦の後もっと確認を怠らない [一言] 聖獣結界、あの亀をかなり引き回したおかげでかなりの範囲がありそう クランのメンバーはどうなるのか、 そもそも無事に組めるのか?
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