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1148話 そんな皆様のために

 「うらっしやぁいいいい!!!!!!」

 「よっしゃぁぁぁ!!!!!」

 「ようやく引き上げたぞっ!」

 「うおっ、デッカっ!」




 どうやら崖の上に【蕭条たる百足壁】の巨体が完全に持ち上がったようだ。

 もはや俺たちのところからは見えなくなってしまったので、上でどんな風になっているのかは見えないがそれを証明するように今さらながら無機質な声のアナウンスが鳴り響き始めた。





 【Raid Battle!】



 【蕭条たる百足壁】



 【レイドバトルを開始します】




 随分と気を利かせてくれたじゃないか。

 これまでは普通に会ったタイミングで流れていたアナウンスが、今回は引き上げ終わったタイミングで流れ始めたのだから決戦の雰囲気としてはパーフェクトだ!



 さあ、お前たち急いで戻るぞ!

 あのお祭り騒ぎに取り残されるのも癪だからな!



 「了解です!」

 「ふひひっ、戻りも頼みますよぉぉ……

 あてぃしたちを落とさないようにしてくださいねぇぇ……」


 そんな女子二人を俺の華奢なカラダにしがみつかせると、そのまま背中の骨翼を羽ばたかせて一気に地上へと飛翔していった。

 普段なら重量オーバーと言ってやりたいが、今日は大量の風のスプリンクラーが下にあるからな!

 その風の流れを利用して一気に上らせてもらったぞ!






 「あっ、【包丁戦士】さん戻ってきましたね。

 待ってましたよ」


 俺が地上に舞い戻ると、そこで待ち構えていたのは【蕭条たる百足壁】……ではなく白衣の男【検証班長】だった。

 俺の視界の先では【蕭条たる百足壁】に攻撃を仕掛けているプレイヤーたちの姿があるんだがあれに加勢しなくてもいいのか?



 「そこなんですよね……

 やっぱり想定していた通り防御力が高すぎて中々攻撃が通らないんですよ。

 でも逆に攻撃が驚異になっていないので、今の時点だと【蕭条たる百足壁】による反撃も一切無くあの場所で鎮座しています。

 だからせっかくなので、色々と検証させているんだよね」


 相手が余裕ぶっているわけか。

 まあ、ほとんどダメージが通らないのなら気持ちは分かるけど。

 あのデカブツムカデからすれば俺たちの攻撃なんて蚊に刺されたようなものなのだろう。

 まったく、実に嫌らしい防御力だ。


 ……で、その検証で何か成果は生まれているのか?



 「やっぱり外殻と外殻の間にある溝部分は若干攻撃が通りやすそうです。

 あそこを狙えば長期戦を制することが出来るかもしれないね」


 ……【検証班長】の言葉は暗にそこを攻撃し続けることは困難になるということを示していた。

 【検証班長】はあのデカブツムカデの深淵細胞を身体に取り込み、その力を行使出来るのでその厄介さを一番理解している。

 


 「そう、今は無防備に鎮座してくれているけどスキルによる防御を展開されたら攻撃する場所を選べない可能性が高いからね。

 今度はスキルの間を総攻撃で通り抜ける攻防になるのは目に見えています」

 「それなら見つけた弱点ってあんまり意味ないですよね?

 いや~、厄介ですね!?」

 「ボマードさん……

 いや、意味がないわけではないけど、確かに効果は薄いかもね。

 でも、【蕭条たる百足壁】が常にスキルを展開し続けられない可能性もあるから、その時に狙う場所が分かっただけでも収穫だよ」


 【検証班長】はあらゆる可能性を考慮しているからな。

 たとえ結果的に杞憂で終わったとしても、過程のどこかで活用できる情報が手に入るかもしれないしあるいは命を救われることもあるかもしれない。

 普通ならそこまで情報を活用出来ないんだが、【検証班長】レベルで頭がキレるなら無用の長物にはならないだろう。




 「「「「スキル発動!【輝毒呃洛】!!!」」」」


 俺たちが後方でそんな話をしている最中にも検証は進んでいく。

 今は海エリアのレイドバトルであるダイヤモンドオコゼ……【ウリール】を倒して手に入れたスキル【輝毒呃洛】を大勢で試しているようだ。

 結晶化させる毒柱を生み出すスキルでそのまま息の根を止められたら簡単に勝てるんだろうが……



 「……ふむ、【輝毒呃洛】は効果が薄そうですね」



 まあ、レイドボス相手にそう上手くはことは運ばないな。

 一部は結晶化させることが出来たようだが、誤差レベルだ。

 プレイヤー側で【輝毒呃洛】を使ったのは綱引き要員として来ていた連中みたいなので、自身が結晶化してしまうデメリットもそう重く考えなくてもいいらしい。

 それでも、このまま【輝毒呃洛】を使い続けるほどの費用対効果は得られなさそうなので、この作戦はここで終わりだな!



 「どこまで【蕭条たる百足壁】が動かないでいてくれるかが気になりますけど、やれるだけやってみましょうか!

 ボクの検証が捗るのは非常にありがたいからね!

 さあさあさあ、次に行きますよ!!!!」


 あっ、検証でテンションが上がりすぎてるモードの【検証班長】だ。

 本格戦闘が始まったら止めてやるとするか……はぁ……







 この感情の起伏が底辺種族【検証班長】の強みであり弱みでもあるのでしょうね。

 私には不要ですけど。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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