1146話 デカブツムカデ総力戦
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ】ー【次元天子】【(妖怪)】【上位権限】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日はとうとう【蕭条たる百足壁】攻略総力戦の決行日だ!
やってやるぞー!
というわけでやって来ました崖エリア……【瀦溜断崖アキュムクリフ】。
足場が悪い中であるが、事前に有志のプレイヤーたちが岸壁を切り開いて一つの都市を作れるほどのスペースが生まれた開拓地となっている。
なお、アクセスが悪いので人気がなく設備はベースキャンプしかない模様。
だが、これだけスペースが空いていれば【蕭条たる百足壁】の巨体でも上がるだろう。
「さあ、皆さん久々の総力戦ですよ!
まずはボクの呼び掛けに応えてくれてありがとうってお礼をさせてもらいたいです!」
そんなことを考えている間に【検証班長】による壇上演説が始まった。
ちなみに、今回の作戦の発起人は俺ではなく【検証班長】ということになっている。
理由は明白で人望の差だな……
俺はプレイヤーキラーだからまともに人を集められないのだ!
適切な人事配置といえるだろう。
「今回のレイドボスは超大型、そしてとてつもなく防御力が高いことが見込まれます。
だから、かつてあった【ウプシロン】討伐総力戦を越える持久戦が繰り広げられるのは確実だね。
これはみんなに苦労を強いることになるけど、それでもいつかは越えないといけない壁です。
それが今この時だったということですね。
ただ、この谷底【瀦溜断崖アキュムクリフ】にレイドボスはまだ潜んでいて、谷底に入れるプレイヤーは限られています。
その限られたプレイヤーだけで勝つのはおそらく不可能でしょう。
だからこそ大人数で挑めるようにここまで引っ張りあげる必要があります。
幸いにも【骨笛ネクロマンサー】さんと【包丁戦士】さんの協力があって、【蕭条たる百足壁】に蜘蛛糸をあらゆる箇所に巻きつけてくれました。
レイドボスは巨体ですが、脱け殻を研究してみた結果見た目の割にかなり軽いようです。
あくまでも固いのは外殻のようですからね。
これだけの大人数で引き上げれば何とかなるはずだね!」
まぁ、人員だけはいっぱいいるな。
見たところ戦闘員以外もいるから完全に綱引き要員として呼んだのだろう。
綱引きなら戦闘が苦手なプレイヤーでも参加しやすいから人数のかさ増しはやりやすかったかもな。
この辺は【検証班長】の得意どころだから流石と言える。
「では崖周辺に設置した蜘蛛糸を一斉に引っ張るんだ!
さぁ、始めっ!!」
【検証班長】の号令に従いこれまで史上最大規模のプレイヤーによる総力戦が開始されることとなった。
とはいっても、戦闘そのものは起きておらず綱引きだけど。
「うおっ、これ重すぎだろ!」
「なんでこんなに人数がいるのに上がらないんだ!?」
「【槌鍛冶士】の引き上げ装置の補助があってもこれだもんな……」
「さっそく手が痛くなってきたぞ」
「うおおおおおおおおおお!!!」
「おーえす!おーえす!」
「気張れ!」
「俺、このレイドバトルが終わったら結婚するんだ」
「おいおい、この段階で死亡フラグ立ててどうすんだよ。
まぁ、どうせ死ぬけどさ」
大人数で引き上げているが、これだけ人数がいることもあってモチベーションはまちまちのようだ。
全力で引っ張りあげるプレイヤーもいれば、荷物を軽く持ち上げるような気持ちのやつもいる。
それでも数が集まれば大きな力になることは間違いないが、こういう時に意識の違いを感じるよな……
所詮ゲームと言ってしまえばそれまでだが、遊び方に対する熱量はそのまま力になることが多い。
それが戦闘でも生産でも同じことだ。
それにしても……やっぱり重いな!?
あいつは見た目ほどの重量は無いらしいけどそれでも大きさがあの大きさだ。
俺たちプレイヤーの力では荷が重いぞ!
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