1141話 断崖絶壁の名前
【Raid Battle!】
【深淵域の管理者】
【エルル】
【???】【上位権限】【ボーダー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【深淵へ誘い】
【冒険者を堕とす】
【深き真価を見極め】
【境界に流転する】
【封印された夢想が解き放たれし時】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日はルル様の御前からスタートだな!
昨日1日を丸々潰して螺旋塔の掃除をしていたから本当に疲れた……
まだ疲れが抜けないのはゲームとしてヤバイ気がするが、充実感だけはあったからヨシッ!
「カッカッカッ!
無事清掃を終えたようだのぅ……
お前一人ではもう二三日かかると思っておったが、【キリゲー】を上手く使いおったな。
まだあやつに細かい作業は出来ぬだろうがそれをものともせず、やるべきことを与えて動かす手腕には感心してしまったものだ。
お前にもあのような才があったとはのぅ!」
なに、ただの簡単な教育さ。
特別教えることが得意ってわけでもないが、それでも多少の場数は踏んできているからそれを応用させてもらった。
その分乱雑な掃除方法になってしまったが、それは悪く思わないでもらいたいところだ!
「我としてはあの程度気にも止めぬが、あの螺旋塔に住み着いておる【獰猛なる針犬舌】がどう思うかまでは関知せぬ。
故に、もし次に行けば襲われるかもしれぬぞ?」
うへぇ、やっぱりその可能性はあるよなぁ……
ルル様がそう示唆するなら高確率でそうなるに違いない。
俺は【獰猛なる針犬舌】の姿形を見たわけでも、声を聞いたわけでもないからルル様の言葉だけが唯一の推察できる情報源だからな!
例えそれが嘘だったとしても、その言葉を鵜呑みにするしかない。
直接話が出来るなら事情が変わってくるけど、基本的に深淵種族のレイドボスは倒すまで会話できない相手だからなぁ……
【上位権限】持ちのルル様と、元聖獣の【ファイヌル】は例外としておく。
「カッカッカッ!
確かにあやつの施設を使いたいのであれば険悪な関係のままではいられないからのぅ……
もし使う気があるのなら地道に通い心を通わせるといいであろう。
それには今回のように【キリゲー】の力を借りると良いかもしれぬな」
出た出た!
何回も通わないといけない系のおつかいクエストだ!
RPGで出てくると面倒くさいと思ってしまうやつの筆頭である。
「そして、我からはお前に報酬を支払わねばならぬのだったな。
あやつそのものの名前を教えても良いのだが、順序としてはあやつのいるであろう場所の名前を教えた方が今回は都合が良さそうだのぅ。
故に傾聴せよ!
あやつのいる場所は【瀦溜断崖アキュムクリフ】だ」
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がエリア名称を確認しました】
【【瀦溜断崖アキュムクリフ】】
【【蕭条たる百足壁】の特殊防御権限が1部解除されました】
おっ、キタキタキタ!
久しぶりに俺の手でエリア名称公開のワールドアナウンスを鳴り響かせることが出来たぞ!
しばらくは【トンカチ戦士】にその手柄を取られ続けていたが、これで名誉回復だな!
代わりに新施設の螺旋塔を使うために煩わしい手順を踏まなくてはならなくなったが、そんなにすぐ使うような場所っぽく無かったから一旦は放置でいいだろう。
ワンチャン、時間を置いていたら勝手に掃除したことに対する怒りのような感情も忘れてくれている可能性もあるからな!
……まぁ、怒りは感情のなかでも強いものだから忘れてくれなさそうだけど。
「この段階を踏んでおけば問題あるまい。
アナウンスには流さなかったが、ユニーククエスト達成扱いとしておいた故に実績値にも加算されているであろう。
我も手を出しにくいところが整い気分がいいからのぅ!
これこそWin-Winの関係と言えるであろうな!」
あの掃除にそこまで意味があったのか俺には全く分からなかったが、ルル様がそこまで喜ぶのならそうなのだろう。
見た目がおどろおどろしいルル様だが、気分が良くなるとわりと態度で表してくるのでそこだけはありがたい。
それを隠されてしまっていると俺も行動方針とか、対応とか決めにくいからな!
……いや、それも計算ずくでルル様は喋っている可能性もあるか。
狡猾とあらゆる存在に言われているレイドボスだからあり得ない話じゃない。
そう考えるとさらに怖くなってきたな……
カッカッカッ、怖がる必要はないのぅ……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




