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103話 次元天子とルル様の配下

 深淵種族に転生するための条件も分かったし、それとなくレイドボスである棘亀攻略戦にもモチベーションがわいてきたな。


 そういえば、ルル様って東西南北の聖獣レイドボスの宿敵なんでしょ?

 それなら棘亀と戦ったことないの?

 来たついでにアドバイスとかもらえたら嬉しいんだけど。


 レイドボスであるルル様に他のレイドボスの攻略方法を聞くという、なんとも珍妙な構図だが、宿敵の情報なら教えてくれるかもしれない……という打算的な考えで聞いてみることにした。


 「我の宿敵は……どちらかと言うと【次元天子】のほうだがの……

 もちろんそれでも、あの暴飲暴食とは何度か戦ったことはある。

 なにせ、聖獣は【次元天子】の配下であり、武器であるからな。

 我から見たジェーライトのようなもの……というわけである」


 ……?なるほど……?

 いや、よくわからん!

 ルル様から見たジェーって、そもそもどんな扱いなのか俺知らないからな!?


 「ほう、そういえば話しておらんかったか。

 ジェーライトは深淵種族の中でも、侵略技能に特化させて我が調整をかけた配下である。

 聖獣が大元の【次元天子】の力を分散させて西の攻撃、北の防御、南の素早さ、東の魔法とそれぞれ個人戦特化しているのに対して、我の配下である深淵種族は侵略、阻害、防衛、占領と集団戦特化させている。

 我が本来持つ力を明け渡しているからこそ、倒されるとその力が我の元へ戻ってくるのだ。

 もちろん、それぞれが活躍してくれた方が我としても気楽で助かるから極力倒されて欲しくはないのだが」


 肩(?)をすくめさせながらそう語るルル様。


 なるほど、だからこそ【菜刀天子】は次元戦争のために聖獣の力を取り戻させようとしているんだな。

 少し納得した。


 それで、棘亀は聞くからに防御特化らしいけど、あの防御打ち破る方法ってあるのか?

 正直持久戦で俺たち底辺種族に分があるとは思えないんだけど。


 「そうか……

 それならば、1つヒントでもやろう。

 【天地逆転】だ。

 このabilityを持っているものが現れたのなら、我の力を借りずとも暴飲暴食の亀を容易く倒せることだろう」


 まるでそのabilityが絶対存在するということを知っているかのような口振りだが、何を条件に手に入れることができるのか、どんな効果のabilityなのかはごねても教えてくれなかった。

 そもそもabilityってなんなんだよ……

 スキルはカタカナなのに、何でabilityだけ英語表記なのかもよくわからん。

 初め見たとき表記のバグか何かだと思ったくらい異質だよな……


 俺と同じように称号やスキルをこの次元で初観測した【検証班長】やボマードちゃんがabilityを持っているという話は聞いたことないが、別に俺が聞いてないだけで実は最近手に入れてたりするかもしれない。


 色々なことが、レイドボスであるジェーを倒してから動き始めてるし、俺の聞き及ばないことが予想以上に多かったりしたパターンをここ数日でよく実感している。


 あっ、そういえばボマードちゃんのことをルル様に話してなかった気がする。

 俺以外に【Ж細胞】を持っているやつがいるんだけど、どうした方がいいんだろう?


 「ほう、それはまた興味深いな。

 折を見て連れて来るがよい。

 だが、お前と違って深淵適正が高いとは限らないからここに来れるとは限らんしの……」


 深淵適正が高くないとどうなるの?

 俺の適正が高い高いと何度も言われてるが、あんまりその恩恵を実感してないんだよなぁ……


 「そもそも、適正が高くないと、この【深淵奈落】には入ることが出来ん。

 そして、その程度の深淵適正で【深淵顕現権限】を多用すると大変なことになりおる。

 我としてはどちらかと言えば歓迎すべきことなのだが、お前たち底辺種族からしてみると大変なことであるのは間違いないな。

 今度そやつに会ったときに【深淵顕現権限】を使わせよ、さすれば我の言ったことがどんなことなのかわかるだろう。

 どんなことが起こるのかは一応前に説明した様な気もするが、お前の場合実際に見た方が実感出来そうだからな」


 なんだその意味深な匂わせっぷりは?

 どっちにしてもボマードちゃんがなんかヤバそうなのは分かったし、明日確認しにいくか。

 明日の予定が決まったところで、いい感じの時間だしそろそろログアウトするか。

 

 あっ、最後に俺の友人からルル様に伝言があったから伝えてから帰るわ。

 たしか……【荒野の自由が解き放たれようとしている】だったかな?


 俺の伝言を聞いたルル様は、触手をうねらせるのを止めて真剣に考え込んでいる。

 その表情も何となく険しそうな感じがする。

 いや、タコの表情なんて感覚でしかわからないけどさ。


 「少し不味いかもしれんな……

 底辺種族【包丁戦士】よ、レイドボス討伐を少し急いだ方がいいかもしれん。

 荒野の自由が解き放たれるとなれば……少し荒れるぞ」


 深刻な声色で真っ直ぐ俺にそう伝えてきた。

 ……やはり、本腰を入れて無限湖沼ルルラシアの攻略する必要があるらしい。








 ……【荒野の自由が解き放たれようとしている】!?

 そんな、想定と違いますよ!?


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです。 [気になる点] あれ?次元天子はこの深淵を覗くことができなかったはずでは?………それとも覗いてる人?が違うのかな? あと気になったのは次元天子である菜刀天子が覗けるのは明確…
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