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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
追試編
96/688

第96巻

第106章 追試[1]


山門が家に帰ると、すぐに彼の両親が通信簿を見たがった。

彼自身は嫌だったが、いつかはばれるし、出せ出せとうるさかったので、しぶしぶ出した。

「英語、どうしたの?」

「…落としました」

「そうよね、なぜ?」

「…何故って言われても…」

山門が母親にじっと見つめられている間、山門の妹である華音が通信簿を出した。

山門を見ながら、華音の通信簿をみた母親は妹も山門の横に座らせた。

「二人とも、なんでこんな成績なの?」

「…ごめんなさい」

「ゴメンですむなら学校なんて要りません。華音もです」

「…はい」

「明日から、みっちり勉強に励んでもらいます。いいですね」

「…分かりました」

二人とも、親からきつく言われてスゴスゴと部屋へ帰った。


山門は、そのことをメールで鈴に伝える。

すると、5分ほどで返信が帰ってきた。

「じゃあ、私が教えてもらっている家庭教師を送るわ。費用は私と一緒に勉強するっていうことで、私が持つね」

「いいの?」

「もちろん。ただ、両親には先に話しておいてね。急に行っても驚かれるだろうから」

「わかった、ありがとう」

山門は鈴からのメールを受け取ってから、すぐに両親のところへ向かう。


山門の母親である香里は、その話を聞くと、すぐに言った。

「それだったらいいわよ。でも、落ちたら怒りますからね」

「わかった」

山門はすぐに親から許可を取ったことをメールする。

すると、鈴から電話がかかってきた。

「はい、永嶋です」

「あ、山口鈴です」

「ああ、鈴か。山門だよ」

「あ、うん。メール読んだよ。それでね、少し聞きたいんだけど、いつぐらいがいい?」

「時間っていうこと?」

「そうそう、私はいつでもいいから、山門に合わせるよ」

「ありがと。ちょっと待ってね」

携帯電話の保留ボタンを押し、母親と話す。

「母さん、いつぐらいに来てもらったらいい?」

「できれば一日中がいいんだけどね…もう授業もないし、午後からがいいんじゃない?」

「じゃあ、1時から5時まで?」

「いいわよ」

山門はそれから保留を解除して鈴に再びつないだ。

「もしもし、山門です」

「待ってました。で、どう?」

「午後1時ぐらいから5時ぐらいまででどうかなって」

「いいよ。どっちの家でする?」

「自分の家かな?」

母親に目くばせをしたが、あまりに気にしているようではなかった。

「明日の1時に、山門の家まで家庭教師を連れていくから。私もいっしょにね」

「待ってるよ」

そう言って、二人はほぼ同時に電話を切った。

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