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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
修了式編
94/688

第94巻

第104章 部の総括[3]


天文部は、天体望遠鏡がある部屋に集まって、何をしてきたかの話し合いをしていた。

だが、肝心の部長や副部長が風邪や家庭の事情やサボりで早退してしまい、部屋にいたのは、桜達1年生だけだった。

「それで、この1年間どうだった?」

料理部での会食が終わり、報告書を受け取りに来たついでに聞いている公安部の氷ノ山が言った。

「んー…『メシエの天体カタログ』を順に観測したわね、M1からM110までの掲載されている物全部」

陽菜が思い出しながら言った。

「後は、冥王星とか、太陽系内にある惑星を見たりね」

桜が付け足す。

「なるほどね、天体観測をしたと。他には?」

「ほか…何かあったっけ?」

「俺をパシリにしたり、計算とかを押しつけたり、あの重いパソコンをここまで運んできたり……」

天文部1年生の中で唯一の男である島永宗谷(しまながそうや)が、いろいろと話しだしたが、氷ノ山は軽く流していた。

「特になしでいいよね」

「いやいや、俺がいるか……」

「そうだね」

「ちょっと待って……」

「じゃあ、そういうことで」

帰ろうとする氷ノ山を引きとめようと、島永が叫んだ。

「ちょっと待てーィ」

「何よ」

「俺の存在を無視すんなって。確かにさ、いろいろしたよ」

「そのいろいろが問題なのよ。スカートめくりしたり、コップの中に得体のしれないもの突っ込んだりして、小学生かっつーの」

そう言って、変えろうとしていた氷ノ山や、ポカンとしている一同を置いて、陽菜がカバンをもってさっさと帰ってしまった。

「…えっとー……」

かなり静かになってしまった部屋の中で、居づらくなった氷ノ山が、扉へと移動しながら、伝えた。

「何かあったら、教えてね。それじゃ」

何も持っていない左手で、部屋の中の誰かに手を振ってから、すぐに立ち去った。

残された2人は、互いに目を合わせてから、帰る為の身支度を始めた。

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