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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
修了式編
93/688

第93巻

第103章 部の総括[2]


食べながら、料理部の面々が話をしている。

「そういえば、この1年はどんなんだった?」

「えっとー、オムライス作って、ワッフル作って、カレー作って……」

部長からの問いかけに、幌は指折り数えて答えていた。

だが、すぐに一同に話す。

「そういえば部長、先輩たちもですけど、結局ここに来た時に作らされていたのは、俺だけじゃないですか」

「それは仕方ないだろ。一番うまい飯を作るやつが一番多くなるのは必然っていうもんだよ」

「いや、絶対違いますって、なあ」

幌は、すぐ横で何かを書いている琴子に聞く。

「へ、なんかゆーたか?」

独特のアクセントで、琴子は答えた。

「いや…なんでもない」

「それで、一つ聞いておきたいんだけど」

「なんですか?」

部長が幌に聞いてきた。

「前々から気になっていたんだが、幌はどこで料理を習ったんだ」

「独学ですよ。姉がひどい料理を作るんで、自然にうまくならざるを得なかったんですよ」

「それでか」

部長は腕を組んで、満足げにうなづいた。

謎が一つ解けたような感じの顔つきだった。

「それで、1年間やってみてどうだった」

「料理がうまくなったような気がします。前に比べて。それに、レパートリーが増えました」

幌が言った。

「美味しいものが食べれて、かなり幸せです!」

「琴子はいつもそう言ってたな」

幌が突っ込む。

「いやー、おいしいものはおいしいって言えるんやから。ええこっちゃやで」

琴子が笑いながら幌に返す。

「漫才してるんじゃないんだから、そこらで終わりな。それで、これから何がしたい?」

部長が幌と琴子にこれからの予定について大雑把に説明する。

「今のところ考えているのは、週に1回集まって、何か作って、食べて、互いに講評をして解散っていう感じなんだが…」

「いつもと変わらないでしょ。それで十分だけど」

「じゃ、そういうことで」

「全員で作るんですよね」

幌が特にそこの部分を確認した。

「じゃあ、かいさーん!」

部長は何も言わずに皿を片づけようとした。

「ちょっと、ぶちょー」

その日の放課後、午後3時に全員が帰るまでの間、公安部や情報部や料理部の笑いが、部室から絶えることはなかった。

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