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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
遠足編
86/688

第86巻

第96章 遠足[2]


円山公園に集合した幌や桜たちは、男女に分かれてそれぞれの主任から今日の日程について大まかな話を聞いていた。

「今が午前9時10分だ。午後3時まで自由行動として、ここに集合。それから解散ということになる。『清水寺』には必ず行くように。昼食は適時とること。では、解散」

互いに似たような話しをし終わると、それぞれの班にばらばらになった。


幌と山門と雅は、桜と鈴と琴子と一緒に行動する予定になっていた。

「宮司は文版と氷ノ山と星井出で班を作っていたね」

桜が少し離れたところにいた宮司たちを見ながら言った。

「桜さん、本当にするつもりですか?」

小声で鈴と、すぐそばにいた雅が聞いた。

「片思いの琴子に気付かせるためには、こうやってするっきゃないと思うのよ。作戦通りにお願いね」

作戦とは、琴子の片思いのことを幌に気付かせようということだった。

立案したのは桜で、この遠足がちょうどいい機会になるということも考慮に入れて、入念に計画されていた。


一行は、清水寺に一番最初に行くことになっていた。

桜と琴子を先頭に、鈴と山門、最後に雅と幌が並んで、時には列を崩しながら歩いていた。

清水寺へ行くための参道には、お土産屋が軒を連ねている。

ここで桜は作戦を発動することにしていた。

実行は清水寺から参道を下る時、知らないのは幌だけになっているという手筈だ。

「これすごいね」

桜は鈴と一緒に土産物を見ていた。

"侍"と書かれたハチマキを額につけ、桜は鈴に見せてみる。

そんな後ろで、男たち3人はキャッキャといい合ってる女子を見ながら、何の土産を買って帰るかをずっと見ていた。

ふと、桜が琴子に静かに耳打ちする。

「もうそろそろ……」

何も言わずに琴子はうなづき、男のほうを振り向く。

「幌さ、わてのいとこへ何か買うてやりたいんやけど、ええの選んでくれへんかな」

「いいけれど、それだったら雅のほうが……」

「幌と一緒に選びたいねん」

半ば強制的に土産物屋へ連れてくるのと同時に、桜と鈴は静かに離れて雅と山門に合流する。

「どうなると思う?」

「さあ、あとは仏のみぞ知るよ」

桜は並んでいろいろと選んでいる二人を見ながら桜は参道の上にある清水寺を見上げながら言った。

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