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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
冬休み 正月編
81/688

第81巻

第91章 お正月[3]


いとこたちと散々話をしていた琴子と雅は、いつのまにか日を超していた。

「あ、いつの間にやら……」

琴子の従弟である川崎法六(かわさきのりろく)が、時計を見て初めて気づいた。

「じゃあ、あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします」

急にあらたまり、法六の妹の陽日が琴子と雅に深々とお辞儀をしながら言った。

「あ、いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」

殆ど反射的ともいえるような言い方で、琴子と雅は陽日が言い終わると同時に返した。

「そういえば、友達のところへ行くって言ってなかったか?」

法六が琴子に聞く。

「そうだよ。どうしたの」

「いや、言ってみたいと思ってみてな…どこに住んでるんだ」

「神社だし、面白くないかもよ」

「いやいや、何の変哲のない神社に秘宝とか眠ってるって、よくあるパターンじゃん?」

「そんなものないって」

琴子が行かせないようにしていると、法六の両親が部屋に入ってきた。

「やっぱり、ここにいたのね」

「母さん、どうしたの?」

法六と陽日は立ち上がり、両親のところへ歩いていった。

「お正月で、どこもかしこも渋滞になるらしいから、先に帰るわよと言いに来たのよ。もしも、いきたいところがあってここに泊まることにしたいのだったら、了解は取り付けてあるけど……」

「コっちゃんの友達の実家が神社らしいんだけど、そこに行きたいの」

陽日が母親に言った。

「いいんじゃないか?」

陽日たちの父親が後ろから声を出す。

「向こう側も忙しいと思うし、お参りするぐらいになるだろうけど」

「全然、大丈夫」

法六が両親に言う。

「向こうに聞いてみようか?」

雅が法六たちに聞いてみる。

「別にかまわないんじゃないかな、マーくんたちが行くっていうのは話してあるんでしょ?」

「明日ね」

琴子が陽日のセリフに付け足す。

「そうそう明日。だったら、私たちが行ってもかまわないような気がするんだけど?」

「向こうの準備とかもあるだろうし、急に増えて大丈夫か携帯で連絡入れておくよ。その方が安心だからね」

雅はそういうと携帯でメールを送った。


1時間しないうちに返信が帰ってきた。

「大丈夫だって。それに、今日は早く寝るから返信もいらないそうだ」

「早くったって、もう1時半ぐらいになってるけど……」

「気にしない、気にしない」

誰が言ったかわからない言葉がいきかった。

そんなことを話している間にも、さらに夜は更けて行く。

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