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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
冬休み 正月編
79/688

第79巻

第89章 お正月[1]


テレビの右上に日付が越えたことの証明としての時間がつくと、テレビの中で一斉に初詣が始まった。

「あけましておめでとうございます、また、新しい年が始まりました……」

ほとんどお決まりとも言える言葉をアナウンサーは言っている。

「毎年同じ言葉だけど、原稿って変わらないのかな」

桜はみかんを食べながら、眠そうにしている幌を見た。

「変わらないだろ。さすがに、紹介するお寺や神社が変わるかもしれないから、その辺りのセリフは変わると思うけども、年初の言葉は定形句化されてるのが多いから……」

ここで大きなあくびをした幌は、そのまま立ち上がって部屋へ戻った。

「先に寝るよ、12時過ぎちゃったし……」

「じゃ、私もー」

いまだテレビを見ている両親に一言言ってから桜も一緒に立ち上がり、そのまま幌の部屋へ入ろうとするが、幌が扉のノブを持ちながら立ち止まる。

「入ってきたら、怒るよ」

静かな声でそう言ってから、幌は部屋へ戻る。

桜はその声を聞いてから、溜息をついて、桜の自室へ戻った。


翌日、12月31日付の新聞で、どんな特別番組があるのかを見ていた。

「年末年始は、新聞が来ないのが面倒なのよねー」

珍しく一番最初に起きた桜が、新聞片手にそうグチっていた。

「珍しいね、姉ちゃんが一番最初に起きるなんて」

「珍しくないでしょ、毎日よ、マ・イ・ニ・チ!」

最後を強調するように吠えるが、幌は一切気にしていないようだった。

「さて……」

まったく変わらない一日を過ごそうとしても、どうしても正月であることを意識してしまう。

「近くに神社とかあったか?」

「『八幡神社』があるけど…」

「初詣に行くか?」

両親へは起き手紙を書いたらいいだろうと、幌が考えているとその両親が起きてきた。

「初詣か、いいね」

父親がそう言って、寝室から出てきた。

「久しく神社にいってないわね」

母親が父親に腕を回しながら言った。

「じゃ、みんなで行こうか」

そうして、幌の一家は初詣に行くことになった。

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