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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
冬休み 大みそか~正月編
75/688

第75巻

第85章 大晦日からお正月 [1]


『NHK』の『ゆく年くる年』で除夜の鐘を聞きながら、幌と桜は両親とともに居間にあるテーブルで座ってみかんを食べていた。

「ことしもあと15分かぁ」

桜がひと房ずつみかんを口へ放り込みながら、感慨深げに言った。

両親は、ロシアにある遺跡の発掘から昨日帰ってきて、正月明けにはアメリカの五大湖の方へ調査に向かうということになっていた。

ゴーン…と余韻を楽しみながらゆっくりまったりとしていると、幌の携帯にメールが着いた。

いつの間にか着メロを変えていたらしく、『あなたに、ありがとう。』の曲が聞こえてきた。

「『初音ミク』?」

「そうだよ」

桜が小声で聞くと、幌はうなづきながら答えた。

誰からのメールかは聞かなかった。

「少し早いあけおめメールだ」

あけおめメールは、年賀状のように手紙で出すのではなく、かわりにメールを送るというものである。

「考えてみたら、今年っていろいろあったわね」

みかんをさらに食べながら、桜が言う。

「高校に入ったり、友達が出来たり、夏休みに遊びに行ったり…」

「いろいろあったねー」

心に響く鐘の音が、桜たちが居る部屋を取り込む。

「でもさ、一番驚いたのが、父さん達が帰ってきたことだったりすんだけどな」

「おいおい、そんなこと言うなって。さすがに年末年始は一緒に過ごしておきたいからな」

缶ビールを幾本か空にして、机の上でピラミッド状に並んで遊んでいる父親を見ながら、幌はみかんを1個手にとり、皮をむき始めた。

「どちらにせよ、来年もいい年になったらいいんだけどね」

みかんの皮をむくと、桜がすぐ横から手を伸ばす。

軽く桜の手の甲をはたくと、さっさとみかんを全部食べる。

「姉ちゃんは自分でむけるだろ。それに、これまでも何個も食べてるじゃないか」

「いいじゃないの、1個や2個ぐらい」

不平不満をたらたらいっているが、そんなことをしているうちに12時へ近付いて来ていた。

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