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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
2学期終業式編
70/688

第70巻

第80章 2学期終業式 [1]


12月25日直前の金曜日。

いつものように、2学期の終業式が執り行われていた。

毎年変わらずこの日に行われていた。

そして、同時に行われていることもある。


「では、これをもって、2学期終業式を終わります。引き続き、生徒総会を行います。その場に座ってください」

司会をしているのは、生徒会長だった。

2学期の生徒総会では、それぞれの部長の任命式や、生徒会長などの生徒会執行員の投票・選出も同時に行われる。

「これより、部長任命式を行います。各部、次期部長に指名されている人は、前に出てください」

2年生が主体だったが、1年生からも何人か立ち上がり、体育館前部にあるステージへと集まった。


代表して任命状を受け取るのは、公安部次期部長である荒田だった。

その間も、校長がステージ上にあがっていく。

全員が好調と対面するようにたつと、荒田が一歩前へ出て

校長から直接手渡しで任命状を受け取ると、一礼してそのまま元の立ち場所へと戻った。

「今後も、より精進してもらうことを、強く願います」

校長がそういうと、全員が一礼してから先に降りた。

部長全員が降壇してから、校長がゆっくりと降りてゆく。


生徒会長が校長が元の位置に戻ったのを確認してから、次の仕事へと入る。

「続いて、生徒会長、生徒副会長、書記などの生徒会執行役員を選出します。立候補手続きを済ませた人のみが、私のところへ集まってください」

数人の2年生が同時に立ち上がり、生徒会長のところへ集まってくる。

何事か話してから、ステージへと並ぶ。

生徒会長を筆頭として、副会長2名、書記長、書記次長、会計長、会計次長、文化部長、運動部長が、ステージ上に並んでいた。

生徒会執行役員の中には、会則に従って情報部部長と公安部部長もいるのだが、彼らは投票によらず決定されるためステージ上にはいなかった。

「投票形式は、信任投票とします。前から回している投票用紙に新任ならば無印、不信任ならば×印を書いて提出してください。3分後に回収します」

実際には、30秒もかからない間に書き終わるので、残った時間は自由時間状態になっていた。

周りとの話をしていると、一瞬に近い感覚で時間が流れる。

「3分経過しました。後ろから前へと送ってください。最前列の人は、まとめて回収に行くまで持っておいていください」

わいわい騒ぎながら、信任投票ということもあり終始和やかな雰囲気で投票は進んで行っていた。

「これで、投票を終わります。これから集計作業に入りますので、しばらくお待ちください」

生徒会長の手元へ集められた投票用紙は、そのままどこかへ運ばれていった。


その間体育館では、列が崩れないようにしながらわずかに動き回っていた。

「そういえば……」

桜の横には、同級生の戸野玲子(とのあきこ)が座っていた。

「どうしたの?」

「あの投票用紙ってどこに運んで行ってるの?」

「氷ノ山にでも聞いたらわかるんじゃない、公安部だったでしょ」

「そっか、後で聞いてみよ」

「そうそう、そういえば、駅前に、新しいスイーツ店ができたんだけど、行ってみる?」

「うーん…まあ、いいかな」

桜は懐具合を瞬時に判断して、行くことに決めたらしい。

「あとで、幌にメールをしとけばいいよね」

そうひとり言を言った。

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