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第686巻
「ちゃんとメールや電話もしてくれないと、忘れちまうかもよ」
「えっ」
「ダメだよ、そんなこと言っちゃ」
言う宮司に、思わず再び涙ぐむ文版、それをみてすぐに突っ込み返す桜。
「いーい?女の子っていうのは、生卵みたいなものなの。ちゃんとしていればおいしく食べられるけど、日が経つにつれてどんどんとつぶれていくの」
「常に新鮮さが欲しいってことか?」
「そういうこと」
宮司が桜の言葉に聞くと、うんうんとうなづいていた。
あー、うん、となにやら口ごもりながら、少し文版に宮司は近寄った。