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第685巻
「文版も、少しの間だけお別れだな」
隠れていた文版は、少し泣いていたようだ。
クリスタルのように輝きを放ち、頬から哀しみの結晶が流れ落ちる。
床に付き、それが乾く間もなく、次が滴る。
「大丈夫さ。ちゃんと盆暮れ正月には帰ってくるから。そっちからきてもいいしな」
「永の別れになるわけもなし、ね」
桜は文版の背をそっと押し、宮司の前へと出す。
「……大丈夫?」
「ああ、大丈夫。でもな」
言いつつ、少し困惑する文版へと宮司が言った。
「文版も、少しの間だけお別れだな」
隠れていた文版は、少し泣いていたようだ。
クリスタルのように輝きを放ち、頬から哀しみの結晶が流れ落ちる。
床に付き、それが乾く間もなく、次が滴る。
「大丈夫さ。ちゃんと盆暮れ正月には帰ってくるから。そっちからきてもいいしな」
「永の別れになるわけもなし、ね」
桜は文版の背をそっと押し、宮司の前へと出す。
「……大丈夫?」
「ああ、大丈夫。でもな」
言いつつ、少し困惑する文版へと宮司が言った。
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