684/688
第684巻
「結婚式は神前式で決まりだな」
宮司に幌が言った。
「それ、俺が卒業してからにしろよ。だったらしてやるからな」
宮司は幌に笑って言った。
「やっぱり、おうちの神社を継ぐの?」
桜が宮司に聞くと、うなづいて答えた。
「に、なるな。近くの誰も管理してない神社も、俺のところで維持してるし、そのあたりも任せてくれるっていう話になってるんだ。ま、卒業してからの話だけどな」
宮司は、桜にも笑っている。
ただ、その桜の後ろで宮司の彼女である文版が、少し縮こまっているように見える。
4年間、近くに住まずに遠距離恋愛になるということで、別れがつらいのかもしれない。