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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
後片付け編
680/688

第680巻

「……いよいよ卒業したんだね」

ぽつり、と桜がつぶやいた。

何回も繰り返される言葉。

それだけ、現実味がないと思っているのか。

はたまた、高校の卒業という人生の節目に、感傷に浸っているのか。

そのどちらか、もしかしたら両方かもしれないし、両方違うかもしれない。

どれが正解なのか、幌には分からなかった。

「そうだな」

だから幌はこう返答するのがやっとだった。

何かわかれば違う答え方だってあったかもしれない。

でも、今の幌には、こう返すだけで精一杯だ。

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