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第673巻
「……幌さ」
「どうした」
幌は作る手を休めることなく、桜へと聞き返す。
「琴子とはうまいこといきそう?」
「だから付き合うようになったんだよ。そっちこそ、いつの間に雅と付き合うようになったんだよ。そっちが一番の驚きだったんだぞ」
桜へと聞くと、桜は少しだけ間を開けて言う。
「そうかなぁ。前々からしようと思っていたことを、ちょうどいい機会だと思ってしただけだよ」
「それについては、否定はしないし、いい機会だったよ」
卒業式は踏ん切りするには確かにいい機会だった。
だから幌も告白をしたわけだ。