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第670巻
少し、時間が経って。
幌は背伸びをした。
ふと壁にある丸いアナログ時計を見ると、お昼近くになっている。
「あー、そろそろかなぁ」
幌はつぶやくと、片づけを途中で置き、よいしょと言ってから立ち上がって部屋を出た。
部屋から出て、まずしたのはキッチンへと向かうことだった。
用意していたはずの簡単なサンドイッチの材料が、そのまま残っているかの確認だ。
たまに桜が食べていたりするためである。
もっとも、最近は桜も分かっているようで、幌が手を付けるまで待っていたりするが。