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第665巻
「さてさて、それでは私からも報告を一つ」
桜は、みんなでピザを半分ほど食べたところで雅と立ち上がる。
「実は、私たちも付き合い始めましたっ」
桜は右手を、雅は左手をそれぞれつなぎ、万歳するように両手を上げた。
「いつのまにだよ」
ポカンとしているのは幌だ。
琴子は何か察していたようで、大人しくなっている。
鈴と山門は知っていたような雰囲気だ。
ただただ、ピザを食べ続けている。
「幌が知らない間だよ」
「だから俺は知らないんだな」
会話になっているようななっていないような、そんな会話をしつつ、幌が言った。