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第663巻
その日の夜、卒業生のうち、数人が集まっていた。
当然、いつものメンバーだ。
集まっている場所は幌と桜の家。
最後だということで、幌の手作り料理がふるまわれている。
「さあできたぞ」
幌は熱々の平たいフライパンのようなものをリビングのテーブルの上に置く。
当然、鍋敷きも敷いてあった。
「今日はピザに挑戦してみたんだ。これで高校生として集まるのも最後と思ったら、なんだか色々と思ってね」
「んで、ピザ」
桜は幌の言葉をつまみつつ、早速食べようと手を伸ばした。
「熱いから気をつけてな。それと、オリーブオイルも用意しておいたから」
具材はシンプルなものだ。
どうやらマルゲリータを作ったらしい。