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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
卒業式編
655/688

第655巻

パンケーキは、幌にとっては朝飯前のものだった。

ひょいひょいと一人1枚分を作り上げ、さらには、置いてあった調味料を使って、カラメルソースまで作った。

「本当はメープルシロップのほうがいいんだろうけどね。これでも十分に美味しいと思うよ」

幌は、最後の2皿を、琴子の前と自分の前に置く。

それから、身に付けていたエプロンを脱ぎ、椅子へと座った。

「いただきます」

熱いものは、熱いうちに食べる。

一番いい食べごろを逃すことはできない。

それが幌の信条で、琴子はごく当然のように受け入れていた。

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