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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
卒業式編
652/688

第652巻

「お口に合えばいいんですが……」

及川がおずおずといった雰囲気で聞く。

「さっそくいただかせてもらうよ」

幌がにっこりと笑い、袋の口を縛っていたリボンをほどいた。

かさかさと音を立てて袋を開けると、焼き立てのような香りがする。

「香りはいいね、これぐらいなら店でもできるんじゃないか?」

「いえいえ、伊野嶽先輩には勝てっこありませんよ」

及川が幌がほめたのを聞いて、慌てて答えた。

「そんなことないって」

同意を求めようと、琴子を見ると、すでに琴子はクッキーを食べていた。

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