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第650巻
そうこうしているうちに料理部の部室へとたどり着いた。
扉は閉められていて、廊下側の窓もふさがれている。
ただ、部室の中は騒がしく、明らかにたくさんの人がいるのが分かる。
「入るぞ」
一応ドアをノックして幌は中にいるであろう後輩らに合図を送る。
どったんバッタンと騒がしい音がして、すぐに静かになる。
一瞬、琴子と目線を合わせ、それからドアを開ける。
開けた途端、目に飛び込んできたのはクラッカーの飛んできたリボンや紙吹雪。
そして、自身の名前と卒業おめでとうの手作りの看板だった。