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第645巻
教壇に立った担任は、狭い教室を、遠くまで見通すように見回す。
大きくなった生徒、小さいままの生徒、自信を身に着けた生徒、何かを発見した生徒。
さまざまな生徒が、教室の中には整然と並んでいる。
それを一人一人の記憶を思い出しつつ、担任は全員と気持ちが一つだと思う。
確かなのは、今ここに集まっている生徒は、無事にここから巣立ち、新たなスタートへと向かうということだ。
そして、それを後押しで来たことは、担任のおかげもあるということだ。
すっと、息を吸う。
そして担任は話し出した。