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第639巻
「ごちそうさまでした」
琴子と雅が同時に手を合わせた。
「行ける?」
食べてすぐ動けるかどうかを、幌が二人に確認する。
「行けるで、いつでも」
「俺も大丈夫」
幌に二人はそれぞれ答えた。
「んじゃあ、30分後に受付前で。もう着替えて、荷物も持ってね」
それでいい、と尋ねるのは桜だ。
ガタガタと銘々席を立つ。
「いいよ、30分後ね」
山門が桜にこたえ、幌もうなづいていた。
どうせ、お土産は少ないが、近くだし、いつでも来れるだろうという思いが、彼らにはあった。
そこで、荷物をまとめるよりも、むしろ着替えをする時間の方がかかるだろうと考えて、桜は30分という時間を言った。