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第633巻
「よかったよ。意外と住んでいるところも知らないことって多いんだなって」
鈴へと山門が答えた。
「確かに、めったにこっちは来ないものね。遠足の時に前を通ったぐらいかな」
桜がその会話に入り込んでくる。
「せやな、やけどこうやってええところを知れたんはええことやで」
琴子も会話に混ざる。
「大学に入っても、こんな風に集まれたらいいな」
幌が軽くストレッチをしながら言った。
「会えるさ、絶対にな」
雅が言う。
そう思っていれば、必ず叶う。
そんなふうに信じているようにも見えた。