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第625巻
コトンとデザートのケーキを数種類とってきた琴子は、雅と一緒に食べ進めている。
「ん、なんや。なんか顔に付いとるか?」
その中で、幌からの視線に気づいた琴子は、そんなことを幌に聞いた。
「や、ただ一杯食べてる女子っていいなぁって思っただけっさ」
幌は、作る者の立場から言ったように聞こえる。
でも、それにそれ以外の感情が含まれているのを、桜は聞き逃さなかった。
ただ、今は言うべきではないということもわきまえている。
照れている琴子は、それでも食べ進めていた。