女子高と男子校

卒業旅行編

第618巻

「あ、これいいかも」

女子勢が固まって、キーホルダーを見ている。

それは、ハートマークに市章が組み込まれているものだった。

キーホルダーにしては、硬い印象があるものの、それでもまだ使い勝手は良さそうだ。

「買う？」

「ここで買うてもええけど、もう少し見せてほしいね」

琴子がキーホルダーをつまんでしげしげと眺めてから、元の場所へと戻した。

土産物屋だけあって、品揃えは多い。

何かいいものがあれば、ここでなくてもホテルで買えるだろうという目論見も、少しはあった。