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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
大学見学 発表編
61/688

第61巻

第70章 大学見学 〜発表編 班別まとめ〜 [1]


次の総合的な学習の時、つまり水曜日の6限目。

幌たちはそれぞれの教室で大学へ行ったことのレポートを作っていた。

「面倒だなー」

同じ大学へ行った者同士で、簡単なまとめを作ってから、それぞれが発表するようにするというものだった。

「仕方ないさ、面倒であっても、授業の一つなんだから」

幌がぼやいているすぐ横で、山門が資料として貰って来た『神戸学院大学』の大学案内を読んでいた。

「そういや、幌は何をしたいんだ」

将来のことを聞いているのだろうと、幌は考えた。

「あまり決めてない。理系もいいかなって思うけど、それでも文系とかも考えてるし。山門は何か考えてるのか?」

「まあ、一応はな」

「へー、どこなんだよ」

幌がレポートの草案をうなりながら考えている横で、さらっと言った。

「神戸学院大学法学部さ、今の偏差値や通学を考えたり、いろいろなことを思うと一番いいし」

「弁護士にでもなるつもりか」

「運が良ければの話だな」

軽く笑っているように見える山門は、本心は別のところにあるようにも見えた。


少し離れたところで、『大阪電気通信大学』に関して書いているのは、雅と星井出だった。

「それで、どうだった?」

やはり大学案内を見ながらレポートをまとめていた。

「『大阪電気通信大学生活協同組合』があるっていうのは、私立の大学としては珍しいって聞いたけど、どうなんだろう」

「それは良く知らないなぁ」

すぐ後ろの席から、宮司が声をかけてきた。

騒がしい教室の中では、あまり気にならないようだ。

「そうなのか」

星井出が宮司の方へ振り向きながら言った。

「それよりも、宮司はどこか大学見学へ行ったのか?」

「ああ、夏休み中に、祖母の家の近くにあるところへね」

そういって見せたのは、『近畿大学』の大学案内の袋だった。

[作者注:近畿大学ホームページ→http://www.kindai.ac.jp/]

「オープンキャンパスがあって、見に行って来たんだ。さすがに大きかったけどね」

「近大か、あそこはキャンパスをいくつも持ってただろ」

雅が宮司が持ってきた大学案内をパラパラめくりながら聞いた。

「『近畿大学東大阪キャンパス』だよ。本部が置かれているところで、法学部、経済学部、経営学部、文芸学部、理工学部、薬学部、2010年4月新設予定の総合社会学部があるよ。大学院は法学研究科、商学研究科 、経済学研究科、総合理工学研究科、薬学研究科、文芸学研究科、法務研究科があるね」

[作者注:詳細は、上記近畿大学ホームページよりご覧ください]

どうやら覚えてきたような感じの宮司は、すらすらと諳んじて見せた。

「良く覚えられるな、そんなに」

「見てたら、自然に覚えてたんだ。いつもそんな感じなんだよ」

宮司が、何も見ずにレポートをまとめ始めた。

「すっげぇ才能だな」

「自然に覚えやすい体質なんだな」

二人は羨望の眼差しで、宮司を見ていた。

だが、当の本人は、さほど気にしているふうではなかった。

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