607/688
第607巻
「ここ、ここ」
降りるよ、と言って、幌が降りる。
他のメンバーもそれに倣って汽車から降りた。
ちょうど3駅目、手野総合博物館の正門前に着いていた。
「おっきいね」
「昔来たけど、こんな大きさだっけ」
いろいろ意見をいいつつ、正門の中に入っていく。
正門は本館の入り口になっていて、さらに廊下で新館、新々館、旧館、別館につながっている。
地下だったり、地上だったりするが、これらの建物に関しては、外に出ずとも行き来することができる。
「で、幌は何が見たかったの」
手野総合博物館のチケット売り場は本館の中にある。
そこに向かいつつ、幌がある看板を指した。
「あれだよ」
書いてあるのは、手野市国宝展と描かれたポスターだった。