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第603巻
バスは時折バス停に止まりながら、道の駅手野へと差し掛かる。
「ここって何が有名なの?」
「栗らしいよ。あとは豆腐」
桜が聞くと、すぐ横の幌がスマホを操作して、名産を調べてみる。
「栗…豆腐……」
何かつながりがないかを桜は考えたが、結局考えるのを止めた。
そのうちに、バスは道の駅の駐車場の中へと入り、4つある建物のうち、一番大きな建物の前で止まった。
少し早く来たようで、運転手が車内放送で時間調整をするという。
ただ、降りる時間はなく、幌らも降りる予定はなかったから、4分ほどしてそのまま出発した。
それでも10人少しがここで降り、数人がバスへと乗り込んできた。