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第574巻
夕方になり、学校も終わって家で晩御飯を作り終わっていた幌へ、メールがきた。
どうやら桜の試験も終わったようだ。
「試験終わったよ」
ただこれだけだった。
文字数は少なくとも、意味がはっきりと伝わる。
桜の受験勉強のシーズンも、今日で終わったということだ。
手野大学法学部を受験した桜は、試験は1日で終わる。
こちらに帰ってくるのは7時過ぎになるだろう。
「お疲れ様」
と、幌はメールを返信した。
あえて、受験の手ごたえを聞くことはしなかった。
今聞くべきじゃないと、幌はそう思ったからだ。