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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
入試編
572/688

第572巻

「ちょうど試験かぁ」

雅が教室の壁にかかっている時計を眺め、午前10時に少し足りないころだ。

「桜ならきっと大丈夫」

「だな」

琴子に言われて、幌は答えた。

なんといっても昨日のことがある。

ただ、それは誰にも言っていない秘密だ。

「姉ちゃんは大丈夫さ。ただ、帰ってきてからが面倒かなぁ」

「帰ってきてから?」

「試験終わったら、どうしても面倒になるみたいでな。やれアレをしろ、やれコレをしろってな」

幌の言葉に、雅がうなづいていたが、琴子は気づいていないようだ。

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