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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
大学 見学編「大阪電気通信大学」
57/688

第57巻

第67章 大学見学 〜見学編 大阪電気通信大学〜 [2]


それから11月1日になり、大阪駅に集まっていた。

「待ち合わせ場所に便利だからね」

真っ先についた雅は、星井出に言った。

「というか、直接『寝屋川市駅』に行けばよかったんじゃないか?」

「それだと、わてらが困るんや」

家から直接来たらしく、私服だ。

「まあ、真っ先に来てるから気にするほどではないんだけどね……」

「そういったかて、ここまで30分ぐらいかかっとるんやで。結構でかいやろ、漫画1冊ぐらいやったら読んでまうで」

琴子がサラっと言い切る。

「ところで、残りはどうした。氷ノ山と文版は」

「彼女らは先に行くって。向こうのほうが近いそうだから」

「そりゃーな、学校自体がそっちの方にあるからな」

「はは……」

雅は、苦笑いをするしかなかった。


それから、『大阪環状線外回り』に乗り込み、『京橋駅』で乗り換える。

「だいたい、35分ぐらいかかるから」

大阪駅から一駅ごとに時計を見ている星井出は、ちゃんと電車がつくかどうかを心配しているようだ。

「大丈夫さ、日本の鉄道網だぜ。世界最高の定時発着を誇ってるんだから、何かあっても、すぐに対応してくれるさ」

雅が、そんな星井出に話しかける。

まあまあ混んでいる電車内は、どこか近距離へ旅行しに行く人たちが多かった。

「日曜日だし、近くで遊ぶしかないんやろうなー」

「それを言えば、自分たちも同じだよ」

「そういえば、星井出も寮生活だったよな。なんで大阪駅の方に来たんだ。直接行った方が楽だろ」

「ちょっと、家の方に用があってね」

それだけ言ったが、あまり深く追求しないでほしいような顔を浮かべていた。

だから、雅もそれ以上聞かなかった。


京橋駅で乗り換えるため、いったん外へ出る道を選んだ。

それしかなかったからだ。

「他に探せばあるのかもしれないけど、多分ないってさ」

「誰から聞いたんや……」

星井出が軽く言うと、すかさず琴子が突っ込んでくる。

「そんなことよりも、何円かかる?」

「ここから、『寝屋川市駅』までだから、260円」

切符販売機の上にある、大きな看板を見ながら言った。

「もうちょっとしたら電車が来るよ」

「じゃあ、何か飲み物でも買わへんか。ちょいと、喉が渇いてしもーてな」

琴子の提案が、後々問題になろうとは、このとき誰もわからなかった。


「おい、電車来てるぞ」

「乗らへんと」

ホームへ来て、すぐに目の前に電車が来ていた。

行先だけを確認して、3人はとび乗る。

その直後、ドアが閉まり、ゆっくりと電車が動き出す。

「ぎりぎり、だったな」

息が上がっていると断言できない程度の荒さで、息をしている。

そのうち、車内放送がかかった。

「今日も京阪電車をご利用くださいまして、ありがとうございます。次の停車駅は、枚方市、枚方市です」

「ちょっと待て、さっきなんて言った」

星井出が二人に聞く。

「……枚方市駅って、どこ」

「寝屋川市駅との間に3つほど別の駅がある駅」

「よく知ってるなー」

雅が言った説明に、琴子がすかさず言う。

「いや、扉の上のところに書いてあるんだ」

指さした先には、路線案内図とともに停車する駅の情報が書き込まれた図が貼られていた。

「なんや、憶えとるんとちゃうんか」

「憶えてたら、素直に尊敬してやったのに」

「そんな尊敬いらん」

二人の言葉にはっきりと拒絶した。


枚方市駅であわてて電車から降り、反対側の準急に乗り込んだ。

「これで安心だ。とりあえず寝屋川市駅までは行けるから」

今度は駅内表示板と電車表示を確認し、再び京橋駅方面へ向かった。

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