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第559巻
「それで、自己採点の結果は?」
鈴が、ペンを置いて尋ねる。
当然のように聞いたが、桜は視線を背け、琴子はあらぬ方向へと思案顔。
氷ノ山だけが、とりあえずとは言いつつも結果を教えてくれた。
「記念受験だから、意味はないんだけどね」
「合格組はいいなぁ」
桜は、国立を目指しているということもあって、これを受けなければならなかった。
琴子は、受けた結果を見てから、どこを受けるかを考えるということにしていた。
「その顔みてたら、それ以上言わない方がいいかしらね」
氷ノ山が2人に言うと、首がもげそうな勢いでうなづいた。