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第558巻
「氷ノ山はどこに行くんやったけな」
琴子がくるっと回って琴子の前へとやってきた氷ノ山へと聞いた。
「私はね、地元の大学」
氷ノ山は寮生活をしていて、地元は関西ではなかった。
「そおか、遠くなるね」
鈴が寂しそうに言う。
「新幹線で3時間くらいかな。大丈夫、日帰りできるよ」
「そらできるやろうけど、朝何時起きになんねん」
琴子が笑いながら氷ノ山に言っていた。
氷ノ山は、早々に大学進学を決めていたが、それがどこの大学なのかは、みんなに教えていなかった。