表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
大学 見学編「神戸学院大学」
55/688

第55巻

第65章 大学見学 〜見学編 『神戸学院大学』〜 [6]


誰もいないのを確認すると、堂々と入っていく。

「ここが、11号館。一番南側にある校舎で、一番高い所からは『明石海峡大橋』が見えることもあるんだよ。運が良ければ、淡路島も見えるし」

幸が幌たちに説明する。

「エスカレーターもあるんだね」

「1階から6階までだけどね。7〜9階までは、エレベーターか階段で登らないといけないのよ」

幸は、幌たちを見ながら説明する。

「それで、どうする?このまま別の建物へ行くか、それとも、登ってみるか」

エスカレーターを指さしたり、外を指さしたりしている。

「いったん登ってみようか。本当に見えるのだったら、きれいだろうし」

山門がみんなに聞いてみる。

別にかまわないようだ。

「じゃあ、エレベーターで9階まで行こっか」

誰もいない日曜日の校舎。

エレベーターはゆっくりと動き出した。


エレベーターから出ると、窓があった。

「今日は少し曇り気味だけど、いつもだったら明石海峡大橋や淡路島が見えるのよ」

もやがかかっているように、その橋の姿はわずかにしか見えない。

「ごめんねー。代わりに、見えるときの写メとってあるから」

結構画質が悪かったが、それでも、橋と島の輪郭は何となくわかった。


再び1階まで下りてきて、幸が幌たちにまた聞く。

「大体案内したような気がするね。薬草園とかあるけれど、薬学部の人たちしか入れないらしいし、『マクドナルド』も、今日は閉まってるから……」

[作者注:8月末をもって、マクドナルド神戸学院大学店は閉店しました]

「じゃ、今日は帰ろうか。また大学祭のころに来れば、また別の楽しみがあるかもしれないし」

桜がみんなに聞いてみる。

「そういうことで、帰りますね」

山門が幸に伝えると、幸は笑って言った。

「じゃあ、バス停まで見送ってあげるね。と言っても、すぐそばなわけなんだけど」

歩いて5分もしない所に、『神戸学院大学』バス停があった。


「明石駅行きのバスが来たら乗ればいいわよ。また、会いましょうね」

幸は、バスがすぐに来るのがわかっていたらしく、1分もしない間にバスが来た。

「それでは、また会いましょうね」

鈴が最後に幸に言ってから、全員がバスに乗り込んで、大学から離れた。


明石駅までは、約20分。

ゆっくりとしたリズムでバスは進んでいく。

「楽しかったね」

桜が誰かに聞くわけでなく言った。

「大学っていう感じだったからな。英検の時ぐらいしか大学には行かないからな」

「そうそう。ただ、日曜日だったのが残念だったわね」

「学食やら、いろいろな施設が開いてないっていうのは、想定してしかるべきだったがな」

山門が言ったが、本人も気づいてはいなかったようだ。

「まあ、あとは帰ってレポート作ってとか何とかするだけか」

「そのレポートがきついんですけどね」

鈴が幌たちに言う。

それを聞いて、一同気落ちをするが、一瞬で立ち直る。

「なあ、別に一人じゃいけないっていうわけじゃないんだろ?」

「レポート作成のこと……」

幌が唐突に何かを思いついたらしい。

桜が何か聞こうとするのを差し置いて、すぐに続ける。

「そうだよ、女子は女子、男子は男子でっていうくくりはあるけど、人数の制限とかはなかったはず。だからさ、この4人でレポートを作って、それぞれが発表するっていう形にすればいいんだよ」

「それだったら、作業効率も上がるな」

「だろ?」

幌の意見に、山門が賛同している。

だが、桜と鈴は、あまりい顔をしていないが、考えた結果、そちらの方がよさそうだという結論になったらしい。

「分かった。でも、作業するにしても、どこでするの」

「放課後、コンピューター部にでもお邪魔するよ。別にかまわないだろ?」

「ええ、大丈夫。先生には、わたくしから伝えておきます」

鈴がすぐに笑いかけながら答える。

そして、家へとの帰路についた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ