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第549巻
「おう、みんな揃って」
幌が菜箸を器用に扱いながら、琴子らを見た。
すでに、料理は佳境を迎えていて、あと30分ほどで完成しそうだった。
「もうちょっとかかるからさ、勉強でもしといたら」
「ホントなら、そっちメインのはずなんだけどね」
苦笑いをしている幌をよそに、あっという間にリビングのテーブルの上には、皿やコップが並んだ。
「ちょい待っとけって」
幌が言うが、並ばしている張本人の桜は意に介さない。
「中入れないから大丈夫」
他のメンバーも、幌の料理を待ちわびているようだった。