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第548巻
翌日には、幌の家には、山門、鈴、琴子、雅がやってきた。
名目は勉強会だけど、それが表向きだということは、全員が分かっていた。
「来たよー」
琴子が、真っ先に声をかける。
インターホンを押してすぐに出てきたのは桜だった。
「待ってたよ。さあ入って入って」
入るとすぐにいい香りがする。
「幌かいな」
「そうそう、この前百貨店で買った惣菜の味を再現したいって言ってね」
勉強よりも、これがメインなところがある。
無論、勉強もするが、それ以上に幌のご飯を食べにきたという意識の方が強いようだ。