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第546巻
「ただいま」
「おかえり」
幌が帰ると、すでに桜はいた。
桜はソファに眠っていた。
ガサガサと袋の音に気付いたようで、桜が幌に声をかける。
「何買ってきたの」
「今日の晩飯。レンチンするタイプの」
「えー、手作りがいーい」
「今日は我慢しろよ」
いいつつ、幌はかばんをリビングに降ろし、それから袋の中身を台所で開けていく。
「ハンバーグ?」
桜は少しも動こうとしない。
が、ピタリといい当てた。
「……さすが姉ちゃん」
「やっぱり、なんだかそんな気分だったんだぁ」
楽しそうにしている桜に対して、幌がふうとため息をついた。