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第542巻
終業式なのは女子高側だけではない。
当然、男子校も、そうだった。
終業式を終え、教室でのホームルームも終わると、通知表が配られていく。
生徒それぞれ、表情豊かになっていく。
そして、担任の高敬槻が委員長に指示して、礼をさせたうえで、待ちに待った冬休みに入っていた。
「あーあ、とうとう冬休みかぁ」
何かいやそうな顔をしているのは、星井出だ。
すでに、指定校入試を受けていて、地方の大学へと合格を決めている。
ちなみに、9月に入試があり、10月には決まっていた。
「いいよなぁ、こっちはこれからが本番だよ」
幌がかばんを背負いながら星井出に愚痴った。