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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
受験勉強編

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536/688

第536巻

少し、琴子は思う。

「あと30秒っ」

誰かの声も、少し遠くに聞こえた。

さっきのは何。

幌は、何をしたかったの。

私と見に来たかった、そういうことにも受け止められる。

「あと20秒!」

それが本当なのか、琴子は判断できるだけの材料を持ち合わせていない。

それでも、この気持ちが嘘じゃないことを知りたい。

ただ、本人に聞くのは、どうにも気がひける。

「じゅう!」

本当に?

「きゅう!」

私が

「はち!」

幌と一緒に

「なな!」

なっても

「ろく!」

大丈夫

「ご!」

なの?

「よん、さん、に!」

答えて、誰か

「いち!」

光が、その時、琴子の道を照らした。

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