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第531巻
延長ができないから、あっという間に片づけをする必要がある。
高校までに幾度となく教室の掃除をしていたから、何をどうすればいいのかははっきりとしている。
そういうこともあって、机の整理、椅子の片づけ、ホワイトボードは後が分からないほどに丁寧に拭いて、床は掃除機と箒で掃いた。
「こんなものか」
幌が部屋を見回して呟く。
出てきたゴミは、備え付けのゴミ箱へと入れることになっているので、ペットボトル、紙コップ、燃えるゴミと燃えないゴミに分別していた。
「だな」
雅が幌の横で、部屋の確認をしながら言った。