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第530巻
飲み物はエレベーターホールにある。
ドリンクバーのように、機械が3台ほどあって、ボタンを押すと飲み物が出てくるという仕組みだ。
下にはコップを置いていれては部屋に戻り、勉強しながら飲み干して、再び機械の前へと戻る。
ホワイトボードも、いろいろな数式が書かれたかと思えば、次には分子式の羅列が続く。
そんなことを繰り返していると、4時間はあっという間だった。
壁に張り付いた受話器が、電子音を鳴らす。
「終わりかぁ」
山門が背伸びをしながら声を挙げた。
この電子音は30分前を知らせるものだ。
要は、掃除をする時間ということだ。




