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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
最後の文化祭
523/688

第523巻

午後5時、文化祭がとうとう終わった。

「これをもちまして、本年度の手野市立手野高等学校文化祭を終了します。みなさん、お疲れ様でした」

どこからか拍手が聞こえる。

「終わったー」

幌が、疲れた声を出して言った。

「最後の1時間がきつかったな」

琴子が幌の横に座って言う。

後輩らも疲れた顔つきをしているが、その表情には何かやりきった感もあった。

「なんで最後にドッと来るんでしょうね……」

「しゃーない、そんなもんや」

及川の言葉に、琴子が答える。

「あとは売上を清算して、半額を生徒会に渡して、残りは山分けだな」

「もらえるんですか?」

がぜんやる気になったのは、ボンヤリと天を向けている岩嶋だった。

「せやで、ただな、一旦は全部生徒会に渡すんやけどな。こっちが計算したのとあっているかを確認して、もらうもん持っていきよったら、あとはこっちのもんや」

琴子が面白そうに言う。

「特にな、幌がおる料理部は、一番の稼ぎ頭やからな。いろいろと目を付けられとるから、しっかり計算せなあかんで」

「了解ですっ」

やる気に満ち溢れた顔をしている岩嶋が、及川と沢入を引っ張って控室へと入っていく。

出店で残った二人は、それをみていた。

「いやぁ、青春やなぁ」

琴子が言うが、幌は何も言わない。

「幌?」

ふと見ると、席に座ったまま、肩に頭をもたげてスゥスゥと寝息を立てて眠っていた。

クスッと琴子は微笑む。

「お疲れさん、幌」

言いつつも携帯で写真を撮っていた。

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