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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
最後の文化祭
522/688

第522巻

クルリと一周すると、幌は出て行った。

どうしようかと思っていると、気づけば1時間ぐらい開けていた。

「そろそろ帰るか」

幌が呟くと、のんびりとした足取りで、料理部の出店の方向へと歩いていく。

アニ研へと行こうかと考えていたが、結局はそちらへは行かなかった。


「幌やんか、おかえりー」

暇そうにしている琴子が出迎えてくれる。

「ただいま、今は誰もいないのか」

珍しいと思いながら、店の中へと入る。

「せやねん。急にパタッと誰も()うへんようになってな。さっきまではぎょぅさんおってんけどな」

言いながら、レジ前に座っていた琴子は、その場を譲る。

ただ、幌はすぐには座らずに、冷蔵庫の中身を確認していた。

「後輩らは」

「幌と一緒や」

「どこかの見学ってとこだな」

「せや、見てみたいゆーてな。ほんで、暇になったし、行ってもええでって」

琴子が説明していると、後ろの休憩室代わりの部屋から桜が顔を出す。

「幌、戻ってきたんだ」

「姉ちゃんとこにも行ってみたんだけど、いなかったんだよな。ここで何してるのさ」

「お昼寝、幌もする?」

椅子を並べた上にタオルを敷いて、即席のベッドを作っていた。

「遠慮しとく。いつお客さんが来てもいいように、な」

「ふーん」

桜がつまらなさそうに言って、 再び隠れた。

「冷蔵庫の中身もあるし、何か作るか」

「幌が作るやつやったら大歓迎やで」

「あ、私もー」

再びひょこっと顔をのぞかせて、桜が出て来た。

「姉ちゃんは有料な」

「えー、なんでなんで」

「部員じゃないだろ」

まったくと言いつつも、幌は嬉しそうな顔をしていた。

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