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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
大学 見学編「神戸学院大学」
52/688

第52巻

第62章 大学見学 〜見学編 『神戸学院大学』〜 [3]


「山門君!」

明石駅の改札口を通るとすぐに山門を呼ぶ声が聞こえてきた。

「久しぶり!」

その女性は、急に山門に抱きついた。

直後、あわてて離れる。

すぐ横では、睨みつけている鈴がいる。

「どういう関係?」

「えっと……」

答えに窮している山門のすぐ横で、のほほんという表情を浮かべている彼女が、山門のいとこなのだろう。

「初恋の人だよっ」

山門のすぐ横に立ち、ニッコリとしながら言った。

幌たちは、一瞬の話で、何を言っているのかがわからなかった。

だが、理解した瞬間、驚きの表情を浮かべていた。


神戸学院大学行き55系統のバスに乗り込み、大学へ向かう車中では、明らかに鈴と山門の間に見えない溝があるように見える。

「それで、どんな関係ですって?」

自然にとげとげしい口調になっている。

「小学校の頃、俺が告られた相手だよ」

「そーよー。あの時は色々と考えていたんだけどね」

ウインクまでして見せる。

「結局、流れちゃってそれっきりよ」

「今は関係はないっていうことですか」

「そういうことになるわね。安心して二人は付き合ってチョウダイ」

安心したように、鈴は深く息をついている。

「な、心配するようなことじゃなかっただろ」

幌が鈴にさらっと言う。

「幌さんはそのような言葉を一言も言わなかったと思いますが」

冷徹な目を幌に向けて言う。


そんなこんなで、大学へ到着した。

「ここがバス停」

「見りゃわかるって」

バスの中で、簡単な紹介だけした後、彼女はずっと寝ていた。

「バス停って、大学の構内に直結しているんですね」

山門のいとこである桜上幸[さくらかみさち]は、鈴たちと一緒に行動していた。

男はその数歩後ろを歩いている状態だった。

「ここが神戸学院大学なんだな」

「やっぱり大きいな」

「そりゃ、大きな学び舎で大学でしょ」

適当なことを言っている桜を無視して、男たちは合流する。

「ところで、幸はどこの学部だっけ」

「法学部の法律学科。将来の夢は、弁護士よ」

幸は何かと話したいらしいが、幌たちはほとんど聞いている様子はなかった。

「とりあえず、校内の案内をしていただけるのでしょうか」

「ああ、そうだったわね。その前にちょっとこっち来て」

幸は、バス停からちょっと歩いたところにある、守衛室へ向かった。


「すいません、入校許可証出してもらえませんか」

「ええ、ここに氏名、住所を書いてください」

守衛は、1枚の書類を出してきた。

そこには複数の人たちが書けるようにされており、すでに上半分は別の人たちで埋められている。


それぞれが書き終わると、守衛は首からぶら下げるような形の入校許可証を出した。

「校内にいる間は、ずっとぶら下げていてください。帰られる際には、返却してください」

「ありがとうございます」

ただ一人だけ、幸は学生証を見せていたので、入校許可証は発行されてなかった。


「準備できた?」

「ええ」

鈴が、幌たちの代表として答えた。

「じゃあ、さっくりと案内するね。まずはー……」

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