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第519巻
「一緒に行くか?」
「いや一人でうろつくさ。しばらくはな」
「なら、アニ研も来てくれよな」
「考えておくよ」
考えておくといってはいるが、行くとは断言していない。
それでも、雅はそれでいいらしく、幌と別れてどこかへと歩いていった。
「さて、どうかしたものかな」
幌は独り言を言いつつも、どこかへとフラフラと歩いていった。
女子高側の階段を上がり、気づけばプラネタリウム室へ。
そこには、双子の姉である桜がいるはずだ。
「あれ、幌じゃんか」
天文部員の澤井陽奈が、ドアを開けた先に座っていた。