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第516巻
2日目の文化祭も順調に消化して、3日目となった。
お昼頃ではあるが、幌は1人で校内を歩いていた。
琴子や後輩たちがクレープ作りに慣れたということもあって、文化祭の最後の日を歩いているようだ。
ちなみに、琴子がすごく一緒に行きたそうな顔をしていたが、副店長ということもあって、離れるわけにはいかず泣く泣く諦めていた。
「およ、幌じゃん。どうしたの」
声は前から聞こえる。
そこには桜と同じ天文部の島永宗谷がいた。
「店番頼めたからさ、こうやって回るのって初めてでさ」
「あー。いつも何か作ってるもんな。回るか?」
島永の話に幌は首を横に振った。